SAP COの用語 (2)

◆ 収益性分析 (profitability analysis = CO-PA)

 ・分析対象 (operating concern)
  CO-PAでのみ使用する組織単位。
通常は1つだけ登録。
複数の管理領域を1つの分析対象に割当可能。

 ・勘定ベースPA (account-based PA)
  損益勘定(PL勘定)をベースとした収益性分析(PA)

 ・原価ベースPA (costing-based PA)
  損益勘定ではなく、値項目(ユーザ定義)をベースとした収益性分析。

  ※勘定ベースPAか原価ベースPAかは分析対象で設定。
   なお、原価ベースPAのほうが機能が多い。

 ・特性 (characteristic)
  得意先、製品、地域など。
  クライアント非依存。
  固定特性と非固定特性がある。
- 固定特性
   すべての分析対象に登録
   メンテナンス不可(不要)。
- 非固定特性
   分析対象に登録するか選択が必要。
   項目カタログに登録する必要あり。
   最大50登録可能。
   (但し、パフォーマンス上、10~20程度にすべき)
   コピー特性:SAPテーブルの項目をコピー登録
    ※すべてのテーブルで可能というわけではない
   ユーザ定義特性:PA独自で必要な項目を追加可能。

・特性値 (characteristic values)
  個々の特性の具体的な値。

 ・収益性セグメント (profitability segment)
  特性の組み合わせ。レポートや分析の切り口になる。

 ・値項目 (value fields)
  原価ベースPAのキー項目。クライアント非依存。

 ・誘導 (derivation)
  特性値をセットするための機能。

 ・誘導方針
  誘導の実行の順番を分析対象ごとに定めたもの。
  上から順番に実行されるので、順番の設定が重要。
  「事前定義ステップ」と「ユーザ定義ステップ」からなる。

 ・誘導ロジック
  1) テーブル検索:SAPテーブルから項目値を取得
2) 誘導規則:ある特性値から他の特性値を決定
3) 移動:ある特性値や定数を他の特性値にコピー
4) 決済(クリア):特定の特性値を消去
5) 拡張管理:Exit
6) 得意先階層
 ・SDからPAへのデータフロー
  - 勘定ベースPAの場合
   データ源:FI伝票(原価要素)
   I/Fタイミング:
    FI伝票の作成時(出荷確認、請求伝票登録時)
  - 原価ベースPAの場合
   データ源:SD伝票(条件タイプ)
   I/Fタイミング:
    受注伝票、請求伝票登録時。

 ・レコードタイプ
  PAに転送されたデータがどのような種類のものなのか識別する。
  (例)A:受注伝票。F:請求データ。
  必要に応じて追加可能。原価ベースPAのみ。

 ・評価 (valuation)
  原価ベースPAのみ。値項目に値を入れるための機能。
  元伝票から直接取得できない値を抽出、もしくは見積り、
  値項目に転記する機能。

 ・CO-PAトランザクションデータ構造
  - CE1:実績明細
- CE3:残高(セグメント番号ごとの残高)
- CE4:収益性セグメントの定義
     ・特性の組み合わせに対してセグメント番号が
      自動採番される
     ・カスタマイズで事前設定しておく

 ・計画バージョン (plan version)
  計画データを管理する単位。(例:予算案毎、部門毎)

 ・計画レベル
  予算入力に必要な特性の登録を行う(例:製品毎、得意先毎)

 ・計画パッケージ
  計画レベルで指定した特性の値を入力。
  レベルに対して複数登録が可能。(注意)パフォーマンスに影響あり。

 ・基本レポート
  特性、キー数値を指定するのみで作成できる簡易なレポート。

 ・書式レポート
  「書式」というレイアウトのフォーマットを使用して作成するレポート。

 ・書式
  レポート定義内容のうち、特性またはキー数値、あるいはその組み合わせを
  あらかじめ定義しておいたもの。
  複数のレポートに使いまわすことが可能。