SAP (企業)


SAP(エスエイピー、ドイツ語SAP AGNYSESAP)は、ドイツ中西部にあるヴァルドルフに本社を置くヨーロッパで最大級のソフトウェア会社。
SAPはSystemanalyse und Programmentwicklung(「システム分析プログラム開発」の意味のドイツ語)という社名で、1972年IBMドイツ法人を退社した5人のエンジニアによって創業された。
この名前は頭字語は後にSysteme, Anwendungen und Produkte in der Datenverarbeitung (Systems, Applications And Products in Data Processing) と変更されたが、2005年以降は会社の正式名称は単に "SAP AG" とされた。
SAPジャパン設立時の初期の頃は現在のロゴとは異なり、IBMのロゴと同じようにブルーの罫線の組合せで台形を構成し、SAPという文字を白抜きしたような感じになっていた。
SAPは2014年現在、売上高で世界で第4位のソフトウェア企業であり[1]、その上にはマイクロソフトオラクルIBM が並んでいる。特に大企業向けのエンタープライズソフトウェア市場においては圧倒的なシェアを持っている。俗に「サップ」と呼ばれることもあるが、正しくは「エスエイピー」である。
2007年度末時点で売上高が約1兆6,000億円、従業員が50,000人の規模になっている。2008年1月にBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェア専業最大手のビジネスオブジェクツ社を買収した。
日本法人であるSAPジャパンは1992年に設立され、従業員は1,100人である(2010年12月末現在)。
SAPの製品は、ERPに代表されるビジネスアプリケーション群である。最も有名な製品はSAP R/3というERP製品であり、「R」はリアルタイムを意味し、「3」は三層アーキテクチャデータベースサーバ、アプリケーションサーバ、クライアント)を採用していることを表している。SAP R/3以前には、SAP R/2というメインフレーム上で動作するソフトウェアが開発・販売されていた。
新製品として、2004年7月に出荷されたmySAP ERP2004, 2006年5月に出荷されたmySAP ERP2005があり、最新版は2006年6月に出荷されたSAP ERP 6.0である。R/3という名前の製品は既に出荷されていない。
SAPのシステムは、企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システムなどからなっており、それぞれがデータ的に一元化されているため、リアルタイムな分析が可能となる。
上記で挙げた業務システム(基幹システム)以外にも、CRMSCMPLMといった分野にもソリューションを提供していたり、大企業向けのシステムから中堅中小企業をターゲットにしたソリューションを提供してきている。
機能要件に合わせてアドオン開発する場合は、SAP独自言語であるABAPを利用し開発環境であるABAPワークベンチ上で開発を行う。また、OpenSQLと呼ばれるデータベース非依存のSQL文を利用することでさまざまなデータベースに対応させるとともに、テーブルバッファによるデータのキャッシュの機能を持たせて性能を向上させている。
当初の戦略はあまねく業務ソフトウェアを提供し、SAP製品同士であればシステム間のデータなどの整合性を担保することによって他社との競争優位を引き出そうとしたが、昨今のサービス指向アーキテクチャ (SOA) の流行による戦略の転換を図り、2003年からはSOAに対応したSAP NetWeaverという製品を販売している。
また、SAPではSOAをenterprise SOA(SAP NetWeaver; 登場当時はEnterprise Service Architecture (ESA) と呼ばれた)と呼称している。
現在では、全世界に10万を超えるSAPのインストレーション、5万社弱の顧客企業を抱え、120か国、1,200万人以上のユーザーに利用されている。
2007年9月19日、新しいオンデマンド型のソフトウェア・ソリューション、SAP Business ByDesignを発表した。